ドイツ政治の行方:2025年総選挙とAfDの台頭、メルケル後のEUへの影響？ドイツ2025年総選挙後の政治情勢とEUへの影響

本日は、ドイツの2025年総選挙後の政治情勢について詳しく見ていきます。

今回の選挙は、ドイツの今後の方向性を大きく左右する重要な出来事となりました。

ドイツ政治の転換点：総選挙と財政改革

この章では、2025年2月のドイツ連邦議会選挙の結果と、財政改革案について解説します。

アングル：独総選挙で第党のメルツ党首、債務ブレーキの迅速な改革否定

公開日:2025/02/26

✅ ドイツ連邦議会選挙で第1党となったCDUメルツ党首は、財政赤字の上限を定める「債務ブレーキ」の迅速な改革を否定し、大規模な防衛費増額案の可決は時期尚早との見解を示した。

✅ 連立協議の難航や、債務ブレーキ改革、防衛費増額に必要な賛成多数の確保など、議会運営の難しさが浮き彫りになっている。

✅ トランプ米大統領の復帰や、ロシア・中国との関係悪化を背景に、防衛力強化の必要性が高まっているが、各党の立場は異なり、今後の動向が注目される。

さらに読む ⇒ロイター 経済、株価、ビジネス、国際、政治ニュース出典/画像元: https://jp.reuters.com/markets/global-markets/VR3TP5YL6FLSBKUPCD3KMIBZF4-2025-02-26/

CDU/CSUの勝利とAfDの躍進は、現政権への国民の不満を示唆していますね。

財政改革案は、今後のドイツ経済に大きな影響を与えそうです。

2025年2月、ドイツ連邦議会選挙で、保守派のキリスト教民主・社会同盟（CDU/CSU）が勝利し、社会民主党（SPD）率いるショルツ政権は歴史的敗北を喫しました。

CDU/CSUは29%の得票率を獲得し、SPDは16%に留まりました。

AfDは19.5%を獲得し第2党に躍進。

この結果は、2021年選挙でのSPDの勝利（25.7%）からの大きな変化を示しています。

CDU/CSUの勝利の背景には、現ショルツ政権の経済政策への不満、移民政策への反発、そして伝統的保守層の回帰があります。

また、現政権の経済政策への不満が、CDU/CSUへの支持に繋がりました。

この選挙結果を受け、連立政権協議において、防衛費の増額や州政府の財政赤字容認など、債務ブレーキの緩和を含む財政改革案が合意されました。

具体的には、連邦予算とは別に10年間で5000億ユーロの特別基金を創設し、GDPの1%を超える防衛支出を債務ブレーキの対象外とすること、州政府の財政赤字をGDP比0.35%まで認めることが決定されました。

これらの合意は、債務ブレーキの例外適用を拡大し、財政均衡義務を緩和するものであり、連邦議会の招集期限までに憲法改正を目指しています。

この財政改革案の報道後、ドイツの10年物国債利回りは大幅に上昇し、1990年以来の大幅な上昇幅を記録しました。

今回の選挙結果は、ドイツの政治に大きな変化をもたらしましたね。各党の思惑が複雑に絡み合っていて、今後の動向が気になります。

AfDの台頭と社会の変化

この章では、AfDの台頭と、それがドイツ社会に与える影響について掘り下げていきます。

流入続く移民・難民「もううんざり」ドイツで反移民掲げる極右政党が台頭ネオナチまがいの姿勢に警戒感も：東京新聞デジタル

✅ ドイツでは、反移民・難民を掲げる極右政党AfDが勢力を拡大し、自治体の首長選で初の勝利を収めるなど、その影響力を強めている。

✅ 移民・難民の流入に対する国民の不満を背景に、AfDは支持を伸ばしている一方、ネオナチ的な思想や反民主主義的な姿勢に対する警戒感も強まっている。

✅ AfDは、過去にナチススローガンを使用するなど、排外主義的、反民主主義的な言動が問題視されている。

さらに読む ⇒東京新聞出典/画像元: https://www.tokyo-np.co.jp/article/302946

AfDの躍進は、ドイツ社会の多様性や価値観に影響を与えそうですね。

移民問題に対する国民の意識の変化も注視していく必要がありそうです。

今回の総選挙で、極右政党「ドイツのための選択肢」（AfD）が第二党に躍進し、ドイツ社会に大きな変化をもたらしました。

AfDの躍進は、反移民政策に加え、旧東ドイツ地域における「旧東ドイツの利益と見解」の擁護、新型コロナウイルス対策への懐疑、ジェンダー法への批判、「平和」というテーマへの不信感などが支持を集めたためです。

また、AfDは言論の自由への懸念を抱き、主流メディアに対する不信感も強い傾向にあります。

AfDはナチスとは異なり、地方政治に深く関与し、連邦憲法擁護庁から「右翼過激派」として監視されています。

しかし、EUからの離脱検討やロシアに対する肯定的な姿勢など、主流政党とは大きく異なる政策方針を持っています。

移民の大量流入とそれに伴う犯罪、特にイスラム過激派のテロに対する不安が、ドイツ人の間で移民への不信感を高めたことも大きな要因です。

今後は、ドイツの外交・安全保障戦略において気候変動や人権問題への取り組みよりも、国家主権と安全保障、経済的利益がより重視される可能性があり、対中国政策も変化する可能性があります。

今回の選挙結果は、過去3年間の経済低迷、連立与党「信号機連合」の政策失敗、特にエネルギー、経済・金融、移民政策での失望が主な要因です。

AfDの台頭は、ドイツの政治だけでなく、社会全体に大きな変化をもたらしそうですね。EUとの関係にも影響があるのでしょうか？