スーダン情勢は?歴史、紛争、そして渡航の注意点スーダン:内戦と不安定な政情
アフリカ第3の大きさのスーダン。200以上の民族が暮らすも、内戦やクーデター、独裁政治と激動の歴史を辿る。石油資源を巡る対立、民族間の複雑な事情が絡み合い、今もなお紛争が続く。国際社会の関心も薄れ、人道危機が深刻化。渡航には十分な注意が必要。
💡 スーダンは、多様な民族が共存する国であり、古代から複雑な歴史を歩んできました。
💡 近代のスーダンは、植民地支配や独裁政治、そしてクーデターといった激動の時代を経験しています。
💡 2023年4月からは内戦が勃発し、国際社会の関心も薄れ、人道危機が深刻化しています。
本日は、スーダンの歴史、政治情勢、そして現在の内戦の状況について、詳しく見ていきましょう。
古代からの激動:スーダンの歴史と多民族国家の形成
スーダンの歴史を変えた出来事は?
マフディーの反乱とイギリスによる植民地化。
本章では、スーダンの古代から近代までの歴史を振り返り、多民族国家としての形成過程を探ります。

✅ 1898年、イギリスとフランスがアフリカのスーダン・ファショダで衝突の危機となるが、フランスの撤退により衝突は回避された。
✅ この事件は、帝国主義によるアフリカ分割の一環であり、両国の利害対立が表面化したもの。国内事情や国際情勢を背景に、英仏間で妥協が成立した。
✅ ファショダ事件は、英仏関係の転機となり、ドイツの台頭に対抗するため、日英同盟や英仏協商へとつながる契機となった。
さらに読む ⇒世界史の窓出典/画像元: https://www.y-history.net/appendix/wh1402-031.htmlファショダ事件は、帝国主義時代の駆け引きが如実に表れた出来事ですね。
列強によるアフリカ分割の象徴とも言えます。
スーダンは、アフリカで3番目に大きな国であり、その広大な国土には200以上の民族が共存しています。
古代にはクシュ王国やメロエ王国が栄え、14世紀にはイスラーム化が進行しました。
19世紀にはエジプトの支配を経てイギリスの植民地となり、マフディーの反乱という激動の時代を経験しました。
1880年代には、マフディーの反乱が起こり、イギリスが鎮圧したものの、一時的にマフディー国家が成立しました。
その後、イギリスは最新兵器と軍隊を投入してマフディー国家を滅ぼし、スーダンはイギリスの領土に組み込まれました。
この時代には、フランスのアフリカ横断政策との対立から、スーダンは両国の衝突の場となり、ファショダ事件が発生しましたが、全面衝突には至らず、アフリカ分割の協議へと発展しました。
1956年の独立後も、スーダンは内戦や紛争を繰り返し、多くの犠牲者を出しました。
スーダンの歴史は本当に複雑ですね。特にファショダ事件は、世界史の授業で習った記憶があります。
独裁政治とクーデター:政情不安の現代
スーダン、政情不安定!首都ハルツーム、今どうなってる?
クーデター勃発、治安悪化で退避勧告中。
本章では、スーダンの現代政治における独裁政治やクーデターの経緯、そして不安定な政情について解説します。

✅ スーダンでは、軍がクーデターを起こし、道路封鎖、店舗閉鎖、電話停止、ゼネラル・ストライキが発生し、少なくとも7人が死亡した。
✅ クーデター指導者は非常事態を宣言し、2023年の選挙で文民政権に権力を移譲すると約束したが、軍民合同統治評議会を解散し、労働組合も解散した。
✅ 西側諸国はクーデターを非難し、文民指導者の解放を求め、経済支援を打ち切ると脅しており、米国の7億ドルの緊急支援も停止された。
さらに読む ⇒出典/画像元: https://www.arabnews.jp/article/middle-east/article_53185/クーデターが繰り返される現状は、国民にとって非常に不安な状況ですね。
一日も早い安定を願います。
1989年にはバシール大統領による独裁政治が始まりましたが、2019年のクーデターで終焉を迎えました。
暫定政権を経て、2021年には再びクーデターが発生し、政情は不安定なままです。
国土の多くは砂漠であり、ナイル川が流れています。
石油資源も存在しますが、これが南北紛争の原因ともなっています。
民族構成は多様で、エジプト系のアラブ系、キリスト教や土着信仰の黒人系、そして両者の混血が存在します。
首都ハルツームはナイル川の合流点に位置し、3つの都市から構成される人口約570万人の都市であり、歴史的建造物と近代的な建物が共存する景観が特徴です。
しかし、現在のハルツームは治安が非常に不安定で、外務省から退避勧告が出されています。
首都ハルツームが、こんなに危険な状態になっているとは知りませんでした。旅行を計画する際には、最新の情報を確認しないといけませんね。
次のページを読む ⇒
スーダン内戦、1200万人超の避難民を生むも国際社会の関心薄。米国の制裁とジェノサイド認定、政治解決模索。渡航には十分注意を。