モスクワ現代美術館「ガレージ」とは?アートと建築、そして社会への問いかけ(?)レム・コールハース設計、モダニズムとポストモダン、そして未来の美術館
モスクワ現代美術館「ガレージ」は、現代アート発掘・発展を目指す非営利施設。旧ソ連廃墟を改修した広大な空間で、20世紀の美術と政治の関係を問う展示も開催。SANAA設計によるゴーリキー公園のヘキサゴン改修計画も進行中。国際的な視点で芸術と社会の関係を問い、戦争への抗議も表明。
💡 レム・コールハース設計の美術館「ガレージ」は、旧ソ連時代の廃墟を改修し、現代アートを発信。
💡 「醜さの危機」展では、モダニズムを問い直し、芸術と社会の関係を考察。
💡 SANAA設計によるヘキサゴン改修計画や、ウクライナ侵攻後の美術館の姿勢にも注目。
それでは、モスクワ現代美術館「ガレージ」の魅力に迫るため、詳細を見ていきましょう。
ガレージ美術館の誕生
モスクワのガレージ美術館、どんな目的で設立された?
現代芸術の発掘と発展を目指している!
レム・コールハースによる改修は、ソ連時代の建築と現代デザインを見事に融合させていますね。
公開日:2021/03/14

✅ レム・コールハース率いるOMAがリノベーションを手がけたモスクワの現代美術館「ガレージ」は、旧ソ連時代の廃墟を改修し、ソ連時代の素材と新たなデザインを融合させたユニークな空間です。
✅ 美術館は、昇降する外壁や開放的な内部空間が特徴で、気軽にアートを楽しめるよう、展示エリアとその他の空間をシームレスに繋ぎ、カフェやショップも併設されています。
✅ 展示空間は、カジュアルで現代的なアートとの出会いを促し、ヨーロッパとアジアの要素を融合させたデザインが、ロシアやモスクワのイメージを変える可能性を秘めています。
さらに読む ⇒出典/画像元: https://hash-casa.com/2021/03/15/garage/ガレージは、アートを気軽に楽しめる空間を提供し、カフェやショップも併設されています。
展示空間は、現代アートとの出会いを促し、文化交流の場としても機能している点が素晴らしいと感じます。
2008年に創立されたモスクワ現代美術館「ガレージ」は、非営利目的で現代芸術を発掘し、発展させることを目指しています。
旧ソビエト時代の廃墟をオランダの建築家レム・コールハースが改修し、広々とした展示スペースを提供し、来館者が時間を気にせずアートを楽しめるように設計されました。
ガレージは、著名なアートコレクターであるダーシャ・ジューコワとロマン・アブラモヴィッチによって設立されました。
うわ、クール!旧ソ連の廃墟をこんなにお洒落にリノベーションするなんて、流石はレム・コールハース!展示もさることながら、建築自体がアートですね。
『醜さの危機』展とモダニズムへの問いかけ
リフシッツの展示は何周年記念?どんな内容?
刊行50周年記念!モダニズム批判など。
モダニズムとポストモダンの対比から、芸術と社会の関係性を深く掘り下げていますね。

✅ モダニズムは、19世紀後半から20世紀初頭にかけての西洋社会の変容を反映し、新しい芸術、哲学、社会組織の創造を目指す運動であり、都市化、新技術、戦争といった特徴を内包する新たな産業社会を反映している。
✅ モダニズムは、伝統的な芸術形式からの脱却を図り、抽象芸術、意識の流れ小説、モンタージュ映画など、様々な革新的な表現方法を取り入れた。また、啓蒙思想の確実性を拒否し、自己意識的な芸術と社会の伝統への意識が特徴的である。
✅ ポストモダンは、モダンという時間性における「発展」という考え方に変化をもたらし、モダニストにとっては新たな課題を生み出す厄介な時間として捉えられている。
さらに読む ⇒出典/画像元: https://navymule9.sakura.ne.jp/Modernism.html「醜さの危機」展では、モダニズム批判を通して、社会における芸術の役割を問い直した点が興味深いです。
20世紀と21世紀の芸術と政治の関係性、そして議論を深める英語翻訳版の刊行も素晴らしい取り組みですね。
2015年には、ミッドセンチュリー建築をレム・コールハースとOMAが改築した現在の建物に移転しました。
ガレージは、様々な展示を開催しており、2018年にはミハイル・リフシッツの著書『醜さの危機』刊行50周年記念の展示会を開催しました。
この展示会は、ソ連のマルクス主義文芸評論家リフシッツの著作を基に、20世紀と21世紀の芸術と政治の関係を再考するものでした。
リフシッツはキュービズムやポップアートを批判し、モダニズムの社会的関連性と全体的倫理について議論しました。
展示は記録資料、アーカイブ、オリジナル作品、フィルム、パフォーマンスを通して、リフシッツの思想、特にモダニズムと消費主義に対する批判を明らかにしました。
この展示会は、10の空間で構成され、リフシッツの思想やモダニズムの象徴的な瞬間を表現し、英語翻訳版も刊行され議論を深めました。
なるほど、モダニズムとポストモダンの違い、歴史的背景が分かって勉強になります。展示会も深いテーマですね。家族で議論したら面白そう。
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SANAA設計、ゴーリキー公園の歴史的建築を改修!展示室、図書館、カフェも。ガレージ現代美術館が国際社会との連携を強め、芸術と社会の関係を探求します。