次期オーストラリア海軍フリゲート艦選定、日本とドイツの最終候補に残る？（もがみ型護衛艦、防衛装備移転三原則）オーストラリア海軍、次期フリゲート艦選定

本日は、オーストラリア海軍の次期フリゲート艦選定を巡る、日本とドイツの状況についてご紹介します。

まずは、この記事全体を通しての概要を説明します。

オーストラリア次期汎用フリゲート調達：日本とドイツの競争

オーストラリア海軍の次期フリゲート艦選定で、日本とドイツが最終候補に残りました。

日本はもがみ型護衛艦を提案し、防衛装備移転三原則に基づく協力体制を提示しています。

防衛省、もがみ型が豪次期フリゲートに選ばれれば海外移転を認める

公開日:2024/11/29

✅ オーストラリア海軍の次期汎用フリゲート取得計画「Project Sea 3000」において、日本のもがみ型護衛艦の能力向上型（令和6年度型護衛艦）とドイツのTKMS社製MEKO A-200が最終候補に残った。

✅ 日本は、オーストラリアが共同開発・生産を選択した場合、防衛装備移転三原則に従い、令和6年度型護衛艦の完成品、部品、技術情報の移転を認めることを発表した。

✅ オーストラリアは、中国の軍拡脅威の高まりを背景に、日本との戦略的関係強化を図るため、もがみ型護衛艦に一定の支持があるものの、日本の軍艦輸出文化の欠如や豪造船所での現地建造、豪企業の参画といった課題がある。

さらに読む ⇒航空万能論出典/画像元: https://grandfleet.info/japan-related/ministry-of-defense-to-approve-overseas-transfer-of-mogami-class-frigates-if-selected-for-australias-next-fleet/

オーストラリアが新型フリゲートを検討しており、日本のもがみ型護衛艦が有力候補です。

防衛装備移転三原則に基づいて、技術移転も視野に入れています。

しかし、現地建造や輸出実績の課題もあります。

オーストラリアは老朽化したアンザック級フリゲートの後継として、Project Sea 3000というプロジェクトで次期汎用フリゲートの調達を進めています。

当初はドイツ、スペイン、日本、韓国など複数の国の艦艇が候補に挙がっていましたが、最終的にドイツのTKMSと日本の三菱重工業の2社に絞られました。

オーストラリア政府は、日本が開発した令和6年度型護衛艦（06FFM）をベースにした汎用フリゲートの共同開発・生産を検討しています。

オーストラリア政府は、新型汎用フリゲートの候補として、ドイツ、日本、韓国、スペインの4カ国の艦艇を特定しました。

その中で、日本のもがみ型護衛艦は、速度、操作性、必要な乗員数の面で評価され、日豪関係の強化にもつながると期待されています。

一方、韓国は、オーストラリア政府から新型フリゲート3隻の発注について、韓国の造船業界への参加を要請されたと報じられています。

オーストラリアは、老朽化したアンザック級フリゲートの後継艦として、汎用フリゲートを調達する「Project Sea 3000」を進めており、日本のもがみ型護衛艦が候補に挙がっています。

当初はドイツ、スペイン、韓国なども候補でしたが、最終的にはドイツと日本の2国に絞られました。

日本は、もがみ型の能力向上型である令和6年度型護衛艦（06FFM）を提案し、共同開発･生産に選ばれた場合、防衛装備移転三原則に従って完成品、部品、技術情報の移転を認めています。

オーストラリアがもがみ型を選択した場合、豪日関係強化や最先端技術分野での提携に大きく貢献すると期待されています。

しかし、オーストラリアが通常の入札方式で選定を行う場合、現地建造の経験や豪産業界への投資という点で、ドイツが有利になる可能性も指摘されています。

最終的な決定は政治的な判断で行われるため、軍の勧告とは異なる結果になる可能性も否めません。

類似事例として、ノルウェーのLeopard 2A8調達では、軍の勧告とは異なり、韓国のK2戦車が選定されたことがあります。

これは、オフセットの内容や政治的な判断が大きく影響したと考えられています。

オーストラリアが最終的にどのような判断をするのか、今後の動向に注目が集まっています。

なるほど、オーストラリアとしては、安全保障を強化したいでしょうから、日本との協力は良い選択肢かもしれませんね。経済的なメリットもあれば、なお良いですが。

日本政府の対応：防衛装備移転三原則に基づく承認

日本政府は、オーストラリアへの新型護衛艦輸出を正式に決定しました。

防衛装備移転三原則に基づき、共同開発・生産も視野に入れています。

政府、オーストラリアへ護衛艦の輸出認める共同開発国を目指す

公開日:2024/12/28

✅ 日本政府は、オーストラリア海軍の新型護衛艦の共同開発国として、日本の護衛艦輸出を正式に決定しました。

✅ 日本は、海上自衛隊の「もがみ」型護衛艦を提案しており、従来型よりも人員が少なく、約90人で運用できるのが特徴です。

✅ オーストラリアは、日本とドイツを共同開発国の最終候補に絞り込み、来年には最終決定を行う予定です。

さらに読む ⇒ニュースサイト出典/画像元: https://mainichi.jp/articles/20241128/k00/00m/030/311000c

日本はオーストラリアとの関係強化を目指し、協力体制を構築しています。

防衛装備移転三原則に則り、技術移転も視野に入れています。

今後の動向に注目です。

防衛省は、令和6（2024）年11月28日、オーストラリア海軍の次期汎用フリゲートの最終候補に令和6年度型護衛艦が選定されたことを受け、豪州への完成品等の移転について発表しました。

豪州が令和6年度型護衛艦を選定した場合、我が国は豪州との共同開発・生産を実施し、完成品等が豪州へ移転されることとなります。

本件海外移転は、「防衛装備移転三原則」及び「防衛装備移転三原則の運用指針」に従い、国家安全保障会議で審議された結果、海外移転を認め得る案件に該当することを確認しました。

豪州は、我が国にとってインド太平洋地域の「特別な戦略的パートナー」であり、本件共同開発・生産は、豪州との相互運用性及び互換性の大幅な向上に資するとともに、インド太平洋地域の艦艇建造・維持整備基盤の強化や、将来の我が国艦艇の能力向上に資するものです。

本件海外移転は、「防衛装備品及び技術の移転に関する日本国政府とオーストラリア政府との間の協定」に基づき実施され、目的外使用の禁止、第三国への移転に係る事前同意義務付け等により、適正な管理が確保されます。

令和6年度型護衛艦は、「もがみ」型護衛艦をベースに、長射程ミサイルの搭載、対潜戦機能の強化等を図った多目的護衛艦です。

防衛省は、本件海外移転に関する許可その他の外国為替及び外国貿易法に基づく必要な手続を適切に対応していくとしています。

日本の技術力が認められたということですね。安全保障上のパートナーシップが深まることは、とても良いことだと思います。