オーストラリア次期フリゲート計画:日本とドイツ、最終決戦?Project Sea 3000: 日本「もがみ」型護衛艦、オーストラリア海軍へ
オーストラリア海軍の次期主力艦は日本かドイツか?老朽化したフリゲート更新に向け、日本の「もがみ型」護衛艦が最終候補に。中国に対抗する戦略的意義と、現地建造・技術移転の課題。70億豪ドル規模のプロジェクト、2029年納入開始へ。日本の防衛産業の国際競争力を左右する、オーストラリアへの艦艇輸出の行方に注目が集まる。
💡 オーストラリア海軍が11隻の新型汎用フリゲートを調達する計画。
💡 最終候補として、日本の三菱重工業とドイツのTKMSが選ばれた。
💡 「もがみ」型護衛艦は、中国に対抗する戦略的意義で支持。
本日は、オーストラリア海軍の新型フリゲート計画について、詳しく見ていきましょう。
まずは、計画の概要からご紹介します。
オーストラリアの新たな汎用フリゲート計画 日本とドイツの最終決戦
オーストラリアの新フリゲートはどこの会社が作る?
TKMSか三菱重工
本計画は、オーストラリア海軍の防衛力強化に大きく貢献すると期待されています。
最終選考に残ったのは日本とドイツの企業ですね。
日本の技術力はもちろん、戦略的な側面も重要視されているようです。
オーストラリアは、老朽化するアンザック級フリゲートの後継として、新たな汎用フリゲートを11隻取得する計画を進めています。
この計画「Project Sea 3000」では、ドイツのTKMS社 と日本の三菱重工業の提案が最終選考に残りました。
日本は、自国の令和6年度型護衛艦(06FFM)をベースにした提案をしており、防衛省は、オーストラリアが共同開発・生産を選択した場合、防衛装備移転三原則に従い、完成品、部品、技術情報の移転を認めることを表明しました。
豪メディアでは、日本の提案は中国の軍拡に対抗する戦略的理由から支持されている一方で、日本には軍艦輸出の文化が欠如しているため、現地建造、豪企業のサプライチェーンへの参画、プログラムコストの豪産業界への還元といった課題があると指摘されています。
最終選考の結果は、艦艇の設計や性能だけでなく、これらの要素も大きく影響すると予想されます。
なるほど、中国の軍拡に対抗するための戦略的な側面もあるんですね。日本が選ばれると、アジアのパワーバランスにも影響がありそうですね。
選考過程の変遷 日本とドイツが最終候補に
オーストラリアの新型フリゲート、誰が作る?
TKMSと三菱重工
オーストラリア海軍が、新型フリゲートの取得計画を進めており、選考過程について解説します。
公開日:2024/11/07

✅ オーストラリア海軍は、従来のハンター級フリゲートの取得数を減らし、大型無人艦と汎用フリゲートの取得を増やす方針を打ち出した。
✅ 汎用フリゲートの調達では、当初ドイツ、スペイン、日本、韓国の4カ国の造船企業が候補に挙がっていたが、安全保障委員会の勧告を受け、スペインと韓国の企業が除外され、最終的にはドイツのTKMSと日本の三菱重工業の2社に絞られた。
✅ ドイツのTKMSはすでにオーストラリア海軍で運用されているアンザック級フリゲートの設計をベースにしたMEKO A-200を提案しており、輸出実績も豊富であることから、オーストラリア政府はTKMSを低リスクの選択肢と捉えている。一方、日本の三菱重工業は、もがみ型をベースにした提案を行っており、日本政府の強力な支援を得ている。
さらに読む ⇒航空万能論出典/画像元: https://grandfleet.info/indo-pacific-related/germany-and-japan-are-finalists-for-australian-navys-general-purpose-frigate-procurement/TKMSと三菱重工の2社に絞られたんですね。
Fincantieriの買収も絡んで状況が複雑化していますが、今後の展開が気になります。
オーストラリアは、新たな汎用フリゲートを11隻取得する計画を進めており、ドイツ、スペイン、日本、韓国の造船企業に情報提供を要望していました。
当初はスペインと韓国の企業が候補から外れ、ドイツのTKMSと日本の三菱重工業による最終入札になるとみられていました。
しかし、欧州の造船企業FincantieriがTKMS買収を表明し、状況はさらに複雑化しています。
オーストラリアの安全保障委員会は、Navantia(スペイン)、現代重工業、HanwhaOcea(韓国)の入札を排除することを政府に勧告しました。
これにより、最終候補はTKMSと三菱重工業に絞り込まれ、オーストラリアは両社の提案をさらに詳しく分析する予定です。
この決定は、オーストラリアが中国の軍事力強化に対抗し、日本との防衛協力強化を図る中で、安全保障上の戦略的な観点からなされたと考えられます。
ドイツのMEKO設計はアンザック級フリゲートをベースにしており、実績のあるTKMSの輸出経験を考慮するとリスクが低いと判断されたようです。
一方、日本の「もがみ型」はオーストラリア海軍と海上自衛隊を結びつけるという戦略的理由から、一部で支持されています。
韓国は現代重工業とHanwhaOceaが別々に受注を目指していましたが、両社の対立、建造能力の問題などから日本に商機を奪われる可能性があると懸念されてきました。
今回の安全保障委員会の勧告により、韓国企業の入札は事実上排除された形となり、日本企業にとって有利な状況となりました。
最終的にこの2社に絞られたということは、やっぱり日本の技術力は世界でも認められているんですね!
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豪海軍再編!中国に対抗し、日本が「もがみ型」護衛艦を提案。有人無人艦増強も。日独激しい競争の中、日本の技術力と戦略が試される。輸出成功なるか?