沖ノ鳥島問題とは?領土問題、保全活動、中国の主張を徹底解説!(?)日本の最南端、沖ノ鳥島の現状と未来
日本の最南端、沖ノ鳥島。広大な排他的経済水域を守る要として、その存在は日本の海洋権益を左右する。中国の領有権主張、温暖化による海面上昇、資源確保と環境保全…様々な課題が山積する中、島の維持・再生に向けた対策が急務。海洋資源と軍事戦略が交錯する、国際的な注目を集める問題。沖ノ鳥島の未来は?
💡 沖ノ鳥島は日本のEEZを決定づける重要拠点。サンゴ礁保護と中国の領有権主張が問題。
💡 中国は沖ノ鳥島を「岩」と主張。EEZを認めず、資源獲得と海洋進出を狙っている。
💡 日本は沖ノ鳥島を保全するため、護岸工事やサンゴ礁再生プロジェクトを実施。
それでは、沖ノ鳥島の概要と、現在進行している様々な取り組みについて、詳しく見ていきましょう。
沖ノ鳥島の概要と課題
沖ノ鳥島は日本の領土だけど、なぜ問題なの?
領有権争いが存在する
沖ノ鳥島は、日本の排他的経済水域を守るために重要な島です。
政府は、サンゴ礁の保護・再生に取り組み、島の維持に努めています。
公開日:2007/06/18

✅ 日本の排他的経済水域(EEZ)の南端の根拠となっている沖ノ鳥島の沈没を防ぐため、政府はサンゴを増殖させるプロジェクトを開始しました。
✅ 2008年3月までの2年間で約5億円が投じられ、サンゴ種苗を植え付けることでサンゴを増殖し、沖ノ鳥島の保護とEEZの維持を目指します。
✅ 近年、波による浸食が激化し、満潮時には露出岩が僅かしか残らない状況に対し、政府は護岸コンクリートによる強化に加え、サンゴ移植による環境保護と沖ノ鳥島沈没防止に取り組んでいます。
さらに読む ⇒沖ノ鳥島を沈没から救え、サンゴ増殖プロジェクト始まる写真枚国際ニュース:出典/画像元: https://www.afpbb.com/articles/-/2241552沖ノ鳥島は、日本の最南端に位置し、日本の領土として国際的に認められています。
しかし、中国などから領有権が主張されている現状です。
政府による保護活動は重要ですね。
沖ノ鳥島は、日本の最南端に位置する島であり、東京都小笠原村に属します。
東西4.5km、南北1.7kmのサンゴ礁で、東小島と北小島からなり、周囲はコンクリートで固められています。
国際的には日本の領土であり、領海・領空を持つことが国際的に認められています。
しかし、中国や台湾などから領有権が主張されています。
沖ノ鳥島の重要性は、日本の国土面積を上回る40万km²の排他的経済水域を有している点にあります。
そのため、1987年には海岸保全区域に指定され、その後、護岸等の設置や設備拡充が行われてきました。
波による浸食から島を守るための対策工事が実施されています。
沖ノ鳥島は、レアアースや海底資源をはじめとする豊富な資源が存在する可能性もある一方で、地学・生態学的に貴重な島であることから、海洋保護区の設置など、資源確保と環境保全の両立が求められています。
温暖化による海面上昇の脅威にさらされており、サンゴ礁の再生など、島の高さを上げて水没を防ぐための対策が必要となっています。
生態工学的創成技術を活用した島の保全が今後の課題であり、東京大学総合研究博物館のウェブデータベースでは、沖ノ鳥島に関する論文や地図などのデータが公開されています。
沖ノ鳥島の現状や課題について、よく分かりました。サンゴ礁の保護は、島の維持だけでなく、多様な生物の生息地を守ることにも繋がるので、素晴らしい取り組みですね。
大陸棚延長問題と中国の主張
中国が沖ノ鳥島に固執する理由は?
戦略的要衝
中国は、沖ノ鳥島を「島」ではなく「岩」と主張し、日本のEEZを認めない姿勢を貫いています。
これは、自国の海洋権益拡大を狙っているためでしょう。

✅ 大陸棚限界委員会(CLCS)が日本の大陸棚延長申請について勧告を出したことに対し、中国は沖ノ鳥島を「島」ではなく「岩」と主張し、日本のEEZおよび大陸棚の主張を認めないと反論した。
✅ 中国は沖ノ鳥島を「島」と認めない理由として、中国の防衛ラインである第1列島線と第2列島線の中間に位置し、戦略的に重要な位置にあることを挙げている。また、沖ノ鳥島を「島」と認定すると、日本のEEZが拡大し、中国海軍活動の制限につながる可能性もあるため、認めたくないとしている。
✅ 中国は南シナ海で岩礁を人工島に変えているなど、ダブル・スタンダードな行動をとっている。沖ノ鳥島問題を通じて、中国は自国の海洋権益を拡大し、周辺国への影響力を強化しようとしていることがわかる。
さらに読む ⇒ホーム笹川平和財団出典/画像元: https://www.spf.org/oceans/analysis_ja02/b120626.html中国の行動は、自国の安全保障上の利益を優先しているように見えます。
国際社会においては、公平なルールに基づいた行動が求められますが、難しい問題ですね。
2012年5月、大陸棚限界委員会(CLCS)は、日本が申請した大陸棚延長について、四国海盆海域を日本の大陸棚として認める一方で、九州パラオ海嶺南部海域については勧告を先送りとした。
CLCSの勧告を受け、日本は沖ノ鳥島を基点とした大陸棚延長を認められたとして、海洋権益の拡充に向けた重要な一歩と評価した。
しかし、中国は沖ノ鳥島が国際法上、排他的経済水域(EEZ)や大陸棚を有さないとして、日本の主張に反論し、沖ノ鳥島を基点とした大陸棚延長を認めないと表明した。
中国が沖ノ鳥島に固執する背景には、沖ノ鳥島が中国の防衛ラインである第1列島線と第2列島線の中間に位置し、戦略的に重要な位置を占めていることにある。
沖ノ鳥島が「島」と認められれば、そこから少なくとも200海里が日本のEEZとなり、中国の海軍艦艇の行動が制約される可能性がある。
なお、中国は自国のEEZ内における他国の軍事活動を認めない立場をとっており、これまでにも米軍機や艦艇に対して妨害行為を行ってきた。
そのため、中国にとって沖ノ鳥島が「島」と認められることは、自国の安全保障上、大きな脅威となる可能性がある。
一方で、中国は南シナ海において、幾つかの岩礁を人工島に変えるなど、国際法違反と指摘される行動を続けており、ダブルスタンダードを指摘する声も上がっている。
中国の主張は、自己中心的で困ったものですね。国際的なルールを無視して、自分の利益だけを追求するのは、フェアじゃないと思います。
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日本の最南端、沖ノ鳥島の維持・再生に関する報告書。EEZを守る日本の取り組みと、中国との対立。国際法、技術的検討、シンポジウム成果も収録。