日比防衛協力と南シナ海、台湾有事の備えは?日本の安全保障への影響とは?(日比防衛協力、レーダー、台湾有事)日比防衛協力の強化と、台湾有事への備え
南シナ海での中国の台頭を受け、日本とフィリピンは防衛協力を強化。日本はフィリピンに警戒管制レーダーを供与し、領空監視能力を向上。台湾有事への備えも進み、フィリピンは重要な役割を担う。本稿では、日比のADA連携が、中国の航空戦力投射の透明化に有効であることを論じ、具体的な活動状況や課題、メリットを分析。フィリピンにおける台湾有事への準備、そして日本の安全保障への影響を解説する。
💡 日本はフィリピンへ航空監視レーダーを供与し、南シナ海における中国の活動を監視。日比の防衛協力が強化。
💡 中国軍機の活動活発化を受け、台湾有事の際のフィリピンへの影響と、対応策について解説します。
💡 フィリピン最北端の島々が台湾に近く、有事の際の避難経路として注目。日本との防衛協力が重要に。
本日は、日比防衛協力の強化と、それを取り巻く安全保障環境について、3つのポイントに分けて解説していきます。
まずは、日比防衛協力の強化について見ていきましょう。
日比防衛協力の強化とレーダー供与
日比防衛協力強化の象徴は?
レーダーシステム供与
日本とフィリピンの防衛協力は、南シナ海における中国の活動と、国際秩序維持のために重要です。
レーダー供与は、監視能力を高め、抑止力強化に繋がります。

✅ 日本は2023年12月、フィリピンに航空監視レーダーシステムを正式に供与し、南シナ海における中国の攻撃的な行動に対抗するフィリピンの監視能力強化を支援しました。
✅ このレーダーシステムは、戦闘機やミサイルを長距離探知し、フィリピン領海における中国の脅威をより迅速かつ正確に把握することを可能にします。
✅ この供与は、日本とフィリピン間の防衛協力強化を示しており、国際法に基づく海洋秩序の維持と、中国による一方的な行動への牽制となることが期待されています。
さらに読む ⇒出典/画像元: https://ipdefenseforum.com/ja/2024/01/%E6%97%A5%E6%9C%AC%E3%81%AE%E3%83%AC%E3%83%BC%E3%83%80%E3%83%BC%E3%82%B7%E3%82%B9%E3%83%86%E3%83%A0%E3%80%81%E3%83%95%E3%82%A3%E3%83%AA%E3%83%94%E3%83%B3%E3%81%AE%E5%8D%97%E3%82%B7%E3%83%8A%E6%B5%B7/フィリピンへのレーダー供与は、まさに日比両国の協力関係を象徴する出来事ですね。
日本がフィリピンの防衛能力を支援することで、地域の安定にも貢献できると期待できます。
日本とフィリピンは防衛協力関係を強化しており、2024年7月の第2回日比安全保障閣僚会合では、部隊間協力円滑化協定への署名、防衛装備・技術協力、政府安全保障能力強化支援の強化などが合意されました。
日本はすでにフィリピンに警戒管制レーダー(FPS-3ME、TPS-P14ME)を供与しており、今後OSAによる装備品の移転も予定されています。
2024年4月には、日本はフィリピンに移動式防空レーダーシステムを供与しました。
これは、南シナ海における中国との緊張の高まりを受け、フィリピンの領空監視能力強化を目的とするものです。
このレーダーシステムは、戦闘機やミサイルを探知する能力を持ち、フィリピンの領空監視能力を大幅に向上させることが期待されます。
日本の防衛副大臣は、このレーダーシステムが日比両国の抑止力を高めると述べており、駐フィリピン日本大使も、今回の協力関係を「防衛協力の大きな勝利」と評価しています。
今回のレーダーシステムの供与は、日比両国間の防衛協力がより一層強化されたことを示す象徴的な出来事と言えるでしょう。
へえ、フィリピンにレーダー供与ですか。中国の動きを監視するためにも、必要な措置ですよね。日本も積極的に関わっているんですね。
中国軍機の活動とADA連携
中国軍機活動増加で懸念される台湾周辺の状況をどう解決できる?
フィリピンとのADA連携が有効
中国軍機の活動は、台湾周辺だけでなく、太平洋全体での軍事プレゼンスを示唆しています。
日本の安全保障にも強く影響があるため、注視が必要です。
公開日:2021/09/06

✅ 中国空軍機19機が台湾の防空識別圏に侵入した。
✅ 侵入したのはJ-16戦闘機、Su-30戦闘機、H-6爆撃機、対潜哨戒機など。
✅ 台湾は中国軍機の侵入に対し、ミサイルシステムを展開させ、戦闘機を発進させて警告した。
さらに読む ⇒出典/画像元: https://www.bbc.com/japanese/58459780中国軍機の活動活発化は、台湾有事への警戒感を高めますね。
日台間のADA連携が難しい中、フィリピンとの連携強化が重要になるという視点は、とても興味深いです。
中国軍機の活動は近年増加しており、特に太平洋への航空戦力投射が目立っています。
台湾周辺のブラインド・ゾーンの存在により、空自は台湾周辺を飛行する中国軍機の活動を包括的に把握することが困難です。
台湾は高度なADA能力を持つ一方で、日台間でのADA連携は現状では困難な状況です。
そのため、本稿では、フィリピンへの警戒管制レーダー供与によるADA連携が、中国の太平洋への航空戦力投射を透明化する上で有効な手段であると主張しています。
具体的な内容としては、中国軍機の活動状況、台湾とのADA連携の現状と課題、フィリピンとのADA連携によるメリットなどを分析しています。
また、宮古島や与那国島から見たブラインド・ゾーンのイメージ図なども示されており、より分かりやすく解説されています。
台湾有事って、他人事じゃないですよね。フィリピンとの連携が、日本の安全保障にも繋がるってこと、なるほどな、って思いました。
次のページを読む ⇒
台湾有事に備え、フィリピンの最前線マブリス島が緊迫。日本はレーダー輸出でフィリピンを支援し、中国の脅威に対抗。避難計画の課題と日比協力の重要性、尖閣防衛の議論も。