木桶醤油の未来は？～消えゆく伝統を守る「木桶職人復活プロジェクト」とは？伝統を守り、未来へ繋ぐ、木桶仕込み醤油の世界

本日は、日本の食文化を支える貴重な伝統技術、木桶仕込みと、それを守るための活動についてご紹介いたします。

消えゆく伝統への危機感

日本の食文化を支える醤油作りに欠かせない木桶。

しかし、その技術は失われつつありました。

今回は、その危機感から始まったプロジェクトについて解説します。

木桶職人復活プロジェクト

公開日:2024/04/19

✅ 木桶職人復活プロジェクトは、木桶仕込みを続けるメーカーや関係者が集まり、技術を共有して木桶と木桶職人を増やすことを目指すプロジェクトである。

✅ 木桶仕込み醤油の流通量は少ないものの、関係者が協力してPRを行い市場を拡大することを目指しており、新桶は全国の蔵元や海外のブルワリーにも届けられている。

✅ 木桶は日本の伝統的な調味料作りに欠かせないものであり、微生物の働きや時間の経過によって独特の風味を生み出す。プロジェクトは、木桶仕込みの魅力を広め、桶職人増加の循環を目指している。

さらに読む ⇒出典/画像元: https://www.s-shoyu.com/kioke-project/pro

木桶仕込みの醤油が減少しているという現状は、大変残念ですね。

しかし、このプロジェクトのように、伝統を守ろうとする動きがあるのは心強いです。

日本の伝統食文化「和食」を支える醤油。

その醤油の醸造に不可欠なのが、木桶です。

江戸時代から木桶は発酵調味料造りに使用され、微生物の力を最大限に活かした深い味わいを醸し出してきました。

しかし、コストなどの理由から、木桶醸造は減少し、伝統文化の消滅が危惧される事態に陥っていました。

そこで、2011年、香川県小豆島の醤油メーカーを中心に「木桶職人復活プロジェクト」が立ち上がりました。

小豆島は醤油醸造が盛んな地域であり、木桶仕込みの醤油が特徴です。

木桶仕込みの醤油って、聞いたことはあるけど、詳しく知らなかったので、すごく勉強になります！ 醤油って、和食には欠かせないですもんね。

木桶職人への道

木桶仕込みの歴史は古く、そこには様々な技術と工夫が凝縮されています。

木桶職人の方々は、どのようにしてその技術を習得し、木桶を作り続けているのでしょうか？。

手間がかかる木桶仕込みだからこそ、実現できる「本物の美味しさ」

公開日:2025/01/10

✅ 木桶仕込みの歴史は古く、11世紀後半には家庭用サイズの桶が使われ始め、15世紀には商業的な醤油生産にも用いられるようになった。木桶は杉などの木材で作られ、木材の特性により深いコクと風味を生み出す。

✅ 木桶は、木材の隙間に菌が常在化し、醸造物に独特の香りや味わいを与える。プラスチックや鉄製タンクでは得られない効果があり、木桶仕込みの味噌には特に香気成分が豊富に含まれる。

✅ 日本独自の木桶仕込みによる味噌や醤油は、大豆と穀物麹を木桶で仕込む点が韓国など他国の調味料と異なる。木桶仕込みは手間とコストがかかるものの、味や香りに大きな影響を与え、栄養価の高い発酵調味料を生み出す。

さらに読む ⇒銘木の伝世出典/画像元: https://meiboku-lab.com/sense/article225/

木桶が微生物たちの『船』という表現、すごく素敵ですね。

手間と時間のかかる木桶仕込みだからこそ、特別な味わいが生まれるのでしょう。

プロジェクトは、木桶職人の育成と木桶自作を目指し、まず、新桶の発注費用を工面することから始まりました。

木桶職人のもとへ弟子入りし技術を習得、吉野杉を用いた木桶を作り始めました。

木桶は微生物たちの命を乗せる「船」であり、伝統の味を未来へ繋ぐための重要な存在です。

約2年の試行錯誤を経て、2013年にはついに新桶が完成しました。

木桶醤油は、木桶で発酵・熟成させることで生まれる、日本の気候風土と職人の技術、時間の積み重ねが生み出す「生きた味」を持つ醤油です。

木桶って、単なる容器じゃなくて、微生物が住む家みたいなものなんですね。なんだかロマンがありますね。