イラン・ヒジャブ義務化問題とは? 抗議デモと風紀警察の現在地(2024年最新)?イラン、ヒジャブ義務化問題:抗議デモの背景と現状
イランで再び激化するヒジャブ問題。マサ・アミニさんの死をきっかけに抗議デモが勃発、政府は取り締まりを強化。道徳警察の活動再開、厳しい罰則、監視カメラによる取り締まり…女性たちの自由を阻む現状とは? 警官の葛藤、社会の変化、国際社会からの制裁。イラン社会の複雑な現実を、BBC取材と著者の体験を通して浮き彫りにする。
💡 イランでは1979年のイスラム革命以降、9歳以上の女性にヒジャブ着用が義務付けられ、違反者には罰金や禁錮刑が科せられる。
💡 ヒジャブ義務化を監視する「道徳警察」と呼ばれる組織が存在し、服装規定違反を取り締まっているが、その取締り強化に対し、国民からは反発の声も。
💡 2022年のマサ・アミニさんの死亡事件をきっかけに抗議デモが激化し、国際社会もイラン政府の人権侵害を非難している。
それでは、本日はイランにおけるヒジャブ義務化を巡る問題について、詳しく解説していきます。
この問題の根幹にあるのは、女性の権利、宗教的な価値観、そして国家の統制という複雑な要素です。
抗議デモの勃発と取締りの背景
イランのヒジャブ義務化に抗議デモが激化した理由は何?
マサ・アミニさんの死亡事件がきっかけ。
イランでは、1979年のイスラム革命以降、女性の服装規制が強化され、ヒジャブ着用が義務付けられました。
この規制は、イスラム法(シャリア)に基づき、9歳以上の女性に適用されます。
公開日:2022/12/05

✅ イランの道徳警察は、イスラム法に基づき、女性の頭髪(ヒジャブ)や服装が「不適切」と判断した場合に拘束する任務を負っている。
✅ 道徳警察の警官は、女性が「女性を守るため」という建前のもと、服装を理由に逮捕することに葛藤を感じており、逮捕件数が少ないと上官から批判されることもある。
✅ 1979年のイスラム革命後、女性の服装規制が強化され、ヒジャブ着用が義務付けられた。これは、革命前の西側的な服装を「つつましい」ものに変えることを目的としていた。
さらに読む ⇒BBC Home - Breaking News, World News, US News, Sports, Business, Innovation, Climate, Culture, Travel, Video & Audio出典/画像元: https://www.bbc.com/japanese/features-and-analysis-63224562ヒジャブ着用を巡る問題は、イラン社会における女性の権利と自由を深く考えさせられるテーマです。
道徳警察の存在や、違反者への対応には様々な意見があり、複雑な状況が垣間見えます。
2022年9月、イランではマサ・アミニさんの死亡事件をきっかけに、ヒジャブの着用義務に対する抗議デモが激化しました。
イランでは、1979年のイスラム革命以降、イスラム法(シャリア)に基づき、9歳以上の女性にヒジャブ着用が義務付けられており、違反者には禁錮刑または罰金が科せられます。
この義務を監視する「道徳警察」、別名「風紀警察」と呼ばれる組織が存在し、女性の服装を取り締まっていました。
彼らは、違反者に対して注意や指導、場合によっては逮捕を行っていました。
2023年7月には、政府が再び取り締まりを強化し、抗議デモ再燃の可能性も指摘される中で、テヘラン市内の女子学生ザハラさんは、取り締まり強化は政府が市民を恐れている証拠だとし、抗議を続ける意思を示しました。
イランの女性たちは、本当に大変ですね。服装一つで逮捕されるなんて、信じられないです。自由って大切ですね。
市民の多様な感情と道徳警察の現実
イランの風紀警察、何のために長時間監視?
女性の服装を監視し、違反者を逮捕。
イランの風紀警察は、全国で女性の服装規定違反を取り締まるパトロールを再開しました。
違反者にはまず警告が発せられ、従わない場合は法的措置がとられます。
この動きに対し、市民からは様々な感情が表れています。

✅ イランの風紀警察が、女性の服装規定違反を取り締まるパトロールを全国で再開。
✅ 違反者にはまず警告を発し、従わない場合は法的措置を取る。昨年9月の女性死亡事件をきっかけに抗議デモが拡大した経緯がある。
✅ 風紀警察は、イスラム教やヒジャブに関する講習を行う「再教育センター」を運営しており、米国とEUの制裁対象となっている。
さらに読む ⇒ CNN.co.jp出典/画像元: https://www.cnn.co.jp/world/35206638.html会社員のモハンマドさんのように、法律に従うことを当然と考える人もいますが、デモでの死傷を目撃し、政府への不信感を募らせる人もいます。
様々な立場の人がいることがわかります。
一方で、会社員のモハンマドさんは、ヒジャブは法律で定められた服装であり、警察の取り締まりはやむを得ないとしながらも、デモでの若者の死傷を目撃した経験から、政府は変わらないと痛感しています。
2025年のイランの現状は、女性が公の場で髪を出すことが禁じられ、風紀警察がその監視にあたっています。
ある警官は、その動機として「女性を守るため」と説明し、違反者の逮捕ノルマや逮捕時の抵抗による苦悩を語っていました。
BBCの取材によると、彼らは朝7時から夜7時まで交代なしで同じ場所に立って任務にあたっています。
最高指導者ハメネイ師は、ヒジャブを完璧に着けていない女性を反宗教的と見なさないといった発言もしましたが、国民の怒りは鎮まりませんでした。
イランでは、いろんな立場の人がいるんですね。法律を守るか、自分の気持ちに従うか、難しい問題ですね。
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イランで風紀警察が活動再開。ヒジャブ取り締まり強化。国際社会からの非難も。禁錮刑や罰金も導入。イラン社会の複雑な現状をレポート。