オーバーツーリズムとの闘い：美瑛町、湯布院、銀山温泉の持続可能な観光への挑戦？観光地におけるオーバーツーリズム対策：交通問題と持続可能な観光への取り組み

本日は、オーバーツーリズム問題に直面している観光地、美瑛町、湯布院、銀山温泉の取り組みをご紹介します。

それぞれの地域が抱える課題と、それに対する具体的な対策について見ていきましょう。

オーバーツーリズムとの闘い：美瑛町と銀山温泉の挑戦

美瑛町は、美しい風景が観光客を惹きつけますが、オーバーツーリズムによる課題も発生しています。

交通渋滞や観光マナーの問題に対し、持続可能な観光を目指し対策を講じています。

オーバーツーリズムをAI技術で抑制する。

✅ 北海道美瑛町は、観光客の増加に伴うオーバーツーリズムの問題に対し、交通渋滞と観光マナーの課題に直面している。

✅ 美瑛町は、持続可能な観光を目指し、関係者間の協力体制を構築する条例を制定し、パークアンドライドの駐車場整備やAIカメラを活用した混雑状況の可視化システムを導入した。

✅ 道との連携による迂回路への誘導など、アナログとデジタルの両面からの対策を実施し、オーバーツーリズム問題の解決に向けた取り組みを進めている。

さらに読む ⇒ジチタイワークス出典/画像元: https://jichitai.works/article/details/2667

美瑛町の取り組みは、AIやパークアンドライドの導入など、最新技術と地域連携を組み合わせた点が特徴的ですね。

課題解決に向けて、多角的にアプローチしている姿勢は素晴らしいと思います。

美しい丘陵地帯と青い池で知られる北海道美瑛町は、写真家やApple社の壁紙採用により国内外から観光客を集めましたが、その一方でオーバーツーリズム（観光公害）という問題に直面しました。

駐車場待ちの車の渋滞、農地への無断立ち入りといった問題に対処するため、美瑛町は令和5年に「美瑛町持続可能な観光目的地実現条例」を施行。

観光庁の補助金を活用し、パークアンドライドの駐車場整備、AIカメラによる混雑状況の可視化システムを導入し、訪問客の分散を促すなど、多角的な対策を進めています。

一方、山形県尾花沢市の銀山温泉でも、大正ロマン漂う温泉街の風情を保つため、オーバーツーリズム対策として年末年始にマイカー規制とシャトルバスの予約制を導入する実証実験を行いました。

マイカー規制により雪道での車両トラブルが減少し、シャトルバス予約制は観光客の分散に繋がり、一定の効果を上げました。

美瑛町の対応は、デジタル技術を活用しているところが面白いですね。AIカメラで混雑状況を把握できるのは、観光客にとっても有益ですし、分散化にも繋がりそうですね。

湯布院：交通問題と持続可能な観光への模索

湯布院は、美しい景観と温泉で人気を集める観光地ですが、交通問題が深刻化しています。

狭隘な道路や駐車場不足による課題に対し、どのような対策が取られているのでしょうか。

【由布院】JUDI通信21号に寄稿しました！

✅ 小野寺康氏、五十嵐淳氏とのコラボレーションで、JR由布院駅前広場と由布見通りの整備デザインを手掛けた。

✅ 「交通計画＋景観デザイン＋関係者との対話」を一体的に検討したことで、難しい条件の中でも整備を実現できた。

✅ 駅前広場での人々の憩いの場や、辻馬車などの風景を通して、「誰もが歩いて楽しいまち・由布院」の未来の風景を追求している。

さらに読む ⇒ 地域計画家・高尾忠志出典/画像元: https://takaotadashi.localinfo.jp/posts/22997749/

湯布院の事例は、交通計画、景観デザイン、関係者との対話を統合した点が興味深いですね。

様々な関係者が協力して、より良い観光地づくりを目指す姿勢は、他の地域にとっても参考になると思います。

湯布院は、風情ある街並みと由布岳を望む景観で知られていますが、観光客増加に伴い交通問題が深刻化していました。

特に、狭隘な道路と自家用車による渋滞、駐車場探しによる「彷徨い交通」が、歩行者の安全と快適性を損なう要因となっていました。

平成14年度には交通社会実験が行われ、パーク＆バスライドの導入などが試みられましたが、具体的な施策として活かされることはありませんでした。

その後、九州大学准教授の高尾忠志氏からの依頼を受け、駅周辺の交通改善計画が提案されました。

交通量調査やビデオ調査による実態把握を行い、駅前広場の設計などを通して交通の円滑化を目指しました。

湯布院の交通問題は、旅行者として本当に困ることが多いので、具体的な対策が進んでいるのは嬉しいですね。歩いて楽しい街を目指すというコンセプトも素敵です。