ロシアのエネルギー戦争：ドローン攻撃と制裁による石油市場への影響？ロシアの石油インフラへの攻撃と、今後のエネルギー情勢

それでは、本日はロシアのエネルギー戦争について、その全体像と今後の見通しについて、詳しく見ていきましょう。

制裁と収入の変遷

ロシアへの制裁は、その石油収入に大きな影響を与えています。

しかし、中国やインドなどの需要増加により、その影響は限定的になりつつあります。

インドのロシア産原油輸入、9月増加か 米制裁関税の発動後

公開日:2025/08/28

✅ トランプ前大統領は、NATO加盟国が足並みを揃えてロシア産原油の購入を停止するなら、米国もロシアに追加のエネルギー制裁を課す用意があると述べた。

✅ インドは9月にロシア産原油の輸入を8月より10～20%増やす見込みで、追加関税を巡って米国と協議する意向を示している。

✅ 専門家は、インドが安価なロシア産原油を背景に輸入を大幅に削減する可能性は低いと分析しており、輸入停止は世界の原油価格を一時的に押し上げる可能性があると指摘している。

さらに読む ⇒ロイター | 経済、株価、ビジネス、国際、政治ニュース出典/画像元: https://jp.reuters.com/markets/commodities/2D3SWTLQMZM27JWBNFQJAYJGKQ-2025-08-28/

2024年のロシアの石油輸出収入は、制裁の影響を受けながらも、ある程度回復していることが分かります。

しかし、今後の国際情勢によっては、再び大きく変動する可能性もあります。

2024年のロシア産原油輸出収入は1210億ドルとなり、2022年比で11%減、2023年比で8%増という結果になりました。

これは、制裁の影響によるもので、もしも侵攻がなければ、2022年には1790億ドル、2023年には1500億ドルの収入があったと推測されています。

しかし、制裁による減収幅は、2022年の24%から2024年には14%へと縮小しており、中国、インド、トルコといった国々の需要増加と、ロシア産原油のディスカウント幅の縮小がその要因として挙げられます。

欧米諸国は、ロシア産石油フローの維持を認める制度設計を通じて、中国、インド、トルコを巻き込み、収入を断つ戦略を展開しています。

バイデン政権は、GazpromNeftとSurgutneftegazをSDNリストに追加するなど制裁を強化し、トランプ次期政権の動きも注目されています。

なるほど、制裁の影響を受けながらも、輸出収入を維持しているのは興味深いですね。中国やインドの役割も大きいのでしょうか。

ウクライナのドローン攻撃とロシアのエネルギーインフラへの影響

ウクライナ軍によるロシアのエネルギーインフラへの攻撃は、激化しています。

これにより、燃料不足や輸出への影響が懸念されています。

燃え上がる「ロシア最大級の製油所」...ウクライナ軍、夜間に大規模ドローン攻撃 国境から約1300キロ（ニューズウィーク日本版）

✅ ウクライナ軍のドローンが、ウクライナ国境から約1300キロ離れたロシア北西部のキリシ製油所を攻撃し、火災が発生した。

✅ ポーランド軍がロシアの無人機を撃墜したことでNATO加盟国が初めて軍事的に直接関与したケースとなり、欧州の緊張が高まっている。

✅ ロシアの石油精製所への攻撃により燃料不足が懸念され、米国大統領はNATO加盟国のロシア産石油購入を非難している。

さらに読む ⇒Yahoo!ニュース出典/画像元: https://news.yahoo.co.jp/articles/c64dfb35e3e507d05d46da5c7bde2c353af3e949

ウクライナによる攻撃は、ロシアの石油精製能力に大きな影響を与えています。

特に、国境から遠く離れた場所にある製油所への攻撃は、今後の展開を左右するかもしれません。

ウクライナ軍はロシアのエネルギーインフラへの攻撃を強化しており、2024年には、キリシ製油所への攻撃が確認されました。

この製油所はロシアの石油精製能力の約6%を担う大規模施設であり、ウクライナ国境から約1300キロ離れた場所に位置しています。

ウクライナは、360機以上の無人機による攻撃を行うなど、その攻撃規模を拡大しています。

また、ロシアのバルト海沿岸にある主要石油積み出し港プリモルスクや、ウスチルガの送油施設への攻撃も行われ、石油輸出への影響が懸念されています。

これらの攻撃は、ロシアの前線への燃料供給能力を削ぐと同時に、輸出収入に打撃を与えることを目的としています。

ドローン攻撃で、1300キロも離れた場所の製油所を攻撃できるとは驚きです。ロシアの反撃も気になりますね。