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習近平訪ロ:中国はロシアに何を求めるのか?ウクライナ侵攻1年、中国の立場と今後の影響

ウクライナ侵攻1年、激化する戦争と中国の影。ロシアは中国への依存を高め、経済支援と軍事協力で戦争継続を図る。中国は影響力拡大と経済利益を追求、巨大なパワーゲームが展開!

中国の戦略:経済支援と影響力拡大

中国はロシアとの関係強化で何を狙っている?

影響力拡大

中国はロシアへの天然ガス供給を通じて、ロシア経済への影響力を強めていることがわかります。

ロシア・中国:「シベリアの力」対中天然ガスパイプライン稼働から年。価格、稼働実績、アムールの進捗、新たに検討されている「シベリアの力
ロシア・中国:「シベリアの力」対中天然ガスパイプライン稼働から年。価格、稼働実績、アムールの進捗、新たに検討されている「シベリアの力

✅ 「シベリアの力」パイプラインはロシアから中国への天然ガス供給ルートとして2019年12月に稼働を開始し、2020年は最初の通年統計となりました。中国への輸出量は4.086BCMとなり、Gazpromの目標値を下回りましたが、コロナウイルスの影響や定期メンテナンスによる影響もありました。

✅ 価格面では、「シベリアの力」で供給されるロシア産ガスは、中国国内の輸送タリフを加味しても沿海部のLNGに対して競争力のある価格設定となっています。価格設定はLNG価格や指標原油・製品価格に連動しており、四半期ごとの価格リバイスと価格反映にタイムラグがあるようです。

✅ 「シベリアの力」のパイプライン建設は中国国内で進められており、2025年6月に完成予定です。完成後は上海周辺に18.9BCMの天然ガスがロシアから供給される予定です。また、アムール・ガス精製プラントでは、シブールとの合弁事業で「アムール・ガスケミカル複合施設」が建設される計画もあり、ロシアは中国市場への進出を積極的に進めています。さらに、「シベリアの力-2」プロジェクトも始動しており、将来的にはモンゴルを経由して中国へのガス供給ルートが構築される可能性があります。

さらに読む ⇒プロジェクトトップページ出典/画像元: https://oilgas-info.jogmec.go.jp/info_reports/1008924/1008958.html

中国は、ロシアとの経済関係を強化することで、自身の経済成長を促進しようとしているようです。

中国はロシアに対する支援を通じて、自身の国際的な影響力を拡大しようとしています。

また、ロシアとの経済関係強化を通じて、西側諸国との対立を深める可能性も懸念されています。

中国は、ロシアにとって重要なパートナーであり、ウクライナ侵攻後、西側諸国によるロシアへの経済制裁が強化されたため、中国はロシアにとって重要な貿易相手国となりました。

2022年のロシアと中国の貿易総額は前年から30%増加し、1900億ドルに達しました。

これは、ロシアの対西側貿易が激減した一方で、中国との貿易が大きく伸びたことを示しています。

特に、中国はロシアのエネルギー需要を満たす重要な役割を果たしています。

ロシアは、石油・ガスの輸出をEUからアジアにシフトしており、中国はその最大の買い手となっています。

2022年には、ロシアから中国への液化石油ガス(LPG)輸出が前年の2倍となり、シベリアのパイプラインを通じた天然ガス輸出も前年比50%増加しました。

また、ロシアと中国はエネルギーに関する連携をさらに拡大する長期的な計画で合意しており、新たなガスパイプライン「シベリアの力2」の建設も決定しています。

ロシアは中国への天然ガス輸出を拡大することで、経済的な安定を図ろうとしているのでしょう。

グレーゾーンの輸出:中国によるロシアの支援

ロシアは軍事目的で必要なハイテク製品をどこから調達している?

主に中国から

中国は、軍事転用可能な製品をロシアに輸出している可能性があるとのことですが、真相は不明な点が多いですね。

ロシア軍ドローンから日本製部品、次々と…「軍事転用」に企業動揺

公開日:2022/06/02

ロシア軍ドローンから日本製部品、次々と…「軍事転用」に企業動揺

✅ ウクライナで墜落したロシア軍のドローンから、キヤノン製一眼レフカメラや本多通信工業製の通信ケーブル、斎藤製作所のエンジンなど、日本製の部品が多数発見された。

✅ これらの部品は、ロシア軍の偵察ドローンに搭載され、軍事目的で使用されていた可能性があり、日本政府が定める軍事転用可能な製品や技術の輸出規制に抵触する可能性がある。

✅ 企業側は、製品が軍事転用された事実を認識しておらず、今後の輸出管理体制の強化や、軍事転用を防ぐための対策を検討する必要があると懸念している。

さらに読む ⇒ニュースサイト出典/画像元: https://mainichi.jp/articles/20220602/k00/00m/020/136000c

中国は、ロシアに兵器を提供していないと主張していますが、実際には軍事目的で使える製品を供給している可能性もあります。

中国はロシアに兵器を提供しているわけではありませんが、軍事目的で使えるハイテク製品を密かに売っている可能性があるとされています。

アメリカは、中国企業がロシアに「非殺傷的な支援」を行っており、さらに「殺傷兵器」を提供する可能性があると指摘しています。

中国は、ロシアへの半導体チップの最大輸出国であり、中には軍事用と民生用のグレーゾーンを利用し、民生用ドローンをロシアに供給している中国企業もあるとされています。

先進国は、こうした製品のロシアへの輸出を制裁対象としたものの、中国やその他の国からの輸入は大幅に増加しています。

ロシアは、トルコやカザフスタン、キルギスタンからも半導体の輸入を増やしており、こうした国は国内では半導体を製造できないものの、輸入された半導体をそうした国からロシアは調達している模様です。

ウォールストリート・ジャーナル紙が米非営利団体C4ADSから入手した税関の記録には、中国国有の防衛企業が航法装置や電波妨害技術、戦闘機部品をロシアの国有防衛企業に出荷していることが示されています。

ロシアが昨年の侵攻後に輸入した軍民両用品のほとんどは中国から輸入されたとされています。

先進国に残された手段は外交力となり、中国を説得していく必要があります。

しかし、UAEなど湾岸諸国に対して、制裁対象となった製品のロシアへの輸出を自粛するように強く求めているものの、交渉は難航しています。

UAEは、2022年にロシアへのマイクロチップの輸出を160万ドルから2430万ドルへと実に15倍に増やしました。

他方、湾岸諸国は昨年、ロシアに対して158機のドローンを輸出しています。

中国は、ロシアへの半導体チップの輸出を増加させているんですね。軍事転用の可能性もあるのでしょうか?

制裁の限界と今後の課題

ロシア経済は戦争継続能力を奪えるのか?

まだ失われていません

経済制裁は、ロシアの行動を効果的に抑止できていないようです。

ロシアへの経済制裁は一体どの程度効いているか

公開日:2024/09/05

ロシアへの経済制裁は一体どの程度効いているか

✅ ロシアのウクライナ侵攻に対する経済制裁は、ロシアの行動を抑止できなかった。経済的合理性よりも、安全保障上の要請や領土拡大といった野心によって突き動かされているロシアに対して、経済制裁による抑止は有効ではなかった。

✅ 今回の対ロ制裁は、迅速かつ広範囲な実施が特徴で、G7を中心とした西側諸国の結束と高い共通認識のもと、さまざまな制裁措置が実行されている。しかし、ロシアの天然ガスへの依存度が高い欧州各国にとって、大幅な輸入停止は困難で、ロシア経済に決定的なダメージを与えるには至っていない。

✅ これまでの制裁は、対象国の行動変容を促し、交渉への参加を促すことを目的としていた。しかし、今回の制裁は、ロシアの戦争継続を阻止し、ウクライナの主権を回復することを目的としている。そのため、経済制裁は、ロシアの経済へのダメージに加え、ロシア国民への影響も考慮していく必要がある。

さらに読む ⇒地経学研究所()国際文化会館・アジア・パシフィック・イニシアティブ出典/画像元: https://instituteofgeoeconomics.org/research/2022091940157/

ロシアへの経済制裁は、効果が限定的であることが明らかになってきました。

ロシア経済や財政環境はかなり厳しさを増しているとみられますが、それが直ちに戦争継続能力を奪うわけではありません。

先進諸国が、ロシア経済に追加的な打撃を与えることができる制裁の手段も尽きてきており、ロシア経済に大きな打撃を与え、戦争継続能力を制限できる方策は、制裁に参加していない国からロシアへの制裁対象商品や軍民両用品の輸出を抑えることになります。

そのためには、制裁に反対するロシア寄りの国々を説得していく他はありません。

ロシアへの経済制裁は、ロシア国民にも大きな影響を与えているのではないでしょうか。

今回の記事では、習近平主席の訪ロと、中国のウクライナ問題における立場について解説しました。

🚩 結論!

💡 中国は、ロシアを支援しながらも、米国との関係を良好に保つという難しい立場に立っている。

💡 ロシアは、中国への依存度を高めている一方で、中国はロシアとの同盟を避けたいと考えている。

💡 中国は、ロシアとの経済関係強化を通じて、国際的な影響力を拡大しようとしている。