紅海危機、フーシ派による船舶攻撃で国際物流はどうなる？（影響と対応を解説？）フーシ派による紅海での船舶攻撃と国際社会の対応

本日は、紅海におけるフーシ派による船舶攻撃と、それに伴う国際社会への影響について、具体的な事例を交えて解説いたします。

紅海危機の発端と国際社会への影響

中東情勢の不安定化に伴い、紅海でイエメンのフーシ派による船舶攻撃が相次いでいます。

これにより、国際物流に大きな混乱が生じています。

紅海情勢悪化による物流への影響

✅ 中東・アフリカ地域の要衝である紅海周辺での、イエメンのフーシ派による船舶攻撃が頻発し、国際物流が混乱している。

✅ 多くの船会社が紅海・スエズ運河航路を避け、南アフリカ共和国の喜望峰を経由するルートに変更したため、輸送日数の増加や海上運賃・保険料の上昇が起きている。

✅ スエズ運河の通過船舶数は大幅に減少し、喜望峰を経由する船舶数は急増しており、紅海ルート回避による影響が物流に深刻な影響を与えている。

さらに読む ⇒ジェトロ（日本貿易振興機構）出典/画像元: https://www.jetro.go.jp/biz/areareports/special/2024/0903/392c24adf9ffa3df.html

フーシ派の攻撃は、国際物流の要である紅海ルートを脅かし、世界経済に大きな影響を与えています。

原油価格の上昇や、サプライチェーンの混乱も懸念されます。

2023年10月、イスラエルとハマスの武力衝突が勃発し、これに伴いイエメンの親イラン武装組織フーシ派は紅海での船舶攻撃を開始しました。

この事態は、2023年11月19日の日本郵船の貨物船「ギャラクシー・リーダー」拿捕によって深刻化し、国際海運の大動脈である紅海情勢は緊迫化。

結果として、スエズ運河を経由する航路を避けてアフリカ大陸を迂回する喜望峰ルートを選択する船舶が増加し、輸送時間の長期化と運賃の高騰を招きました。

日量約900万バレルの石油を含む、欧州、中東、北アフリカに輸入される商品の約15%が影響を受け、世界のサプライチェーンに大きな打撃を与えています。

大手海運会社は紅海航路の運航を停止し、日本のONEもその例に漏れません。

この状況は、国際法上の航行の自由を侵害し、国際社会全体の共通利益を脅かすものとなっています。

この問題は、まさに国際問題ですね。世界的な物流への影響が深刻で、他人事とは思えません。

国際社会の対応と日本の動き

国際社会は、この事態に対し、外交努力や国際的な連携を通じて対応を試みています。

日本も、関係各国と協力し、事態の収束に向けて動いています。

フーシ派、日本郵船運航船の乗員解放 拿捕から1年2カ月ぶり＝報道

公開日:2025/01/22

✅ イエメンのフーシ派が、2023年11月に紅海で拿捕した貨物船「ギャラクシー・リーダー」号の乗組員を解放した。

✅ 解放は、イスラエルとハマス間のガザでの停戦発効を受け、乗組員はオマーンに引き渡された。

✅ 国連特使は解放を歓迎し、フーシ派に海上での攻撃停止を含む前向きな取り組みを続けるよう求めた。

さらに読む ⇒ロイター | 経済、株価、ビジネス、国際、政治ニュース出典/画像元: https://jp.reuters.com/markets/commodities/P4BC37ORJFJODFDZNS64FFUUII-2025-01-22/

人道的な側面も考慮しつつ、国際物流への影響を最小限に抑えるべく、各国の協力が重要です。

また、日本政府の対応にも注目したいと思います。

国際社会は、この事態に対し、米国やEUを中心とした多国籍オペレーションや国連安保理決議2722を採択するなど対応を試みています。

しかし、武力行使に対する評価は分かれています。

日本は、拿捕された「ギャラクシー・リーダー」の乗組員25名の解放に向けて、G7を含む各国と連携して働きかけを行い、2024年1月22日には乗組員が解放されました。

日本郵船は乗組員の解放を歓迎し、関係機関への感謝を表明しています。

フーシ派による攻撃は、国際物流に大きな影響を与え、2025年1月には、バブ・エル・マンデブ海峡の通過船舶が前年同期比で38.2%減少し、スエズ運河の通過も45.7%減少するなどの影響が見られています。

乗組員の解放は良かったですね。国際社会が連携して、このような事態に対応していくことが大切だと思います。