オーストラリアのガス田開発、岩絵を守れる?環境と経済のジレンマとは?ノース・ウェスト・シェルフ・ガス田の稼働延長承認と、ムルジュガ地域の岩絵保護問題
オーストラリア政府が、2070年までのノース・ウェスト・シェルフ・ガス田稼働延長を承認。しかし、世界最古級の先住民岩絵群への影響を巡り、環境保護団体が猛反発!経済的利益と文化遺産の狭間で揺れる政府。日本などアジアへのLNG輸出は続くが、排ガスや温室効果ガス問題も。ウッドサイド・エナジーは、厳しい条件をクリアし、岩絵とエネルギー開発を両立できるのか?今後の動向から目が離せない。
💡 オーストラリア政府が、ノース・ウェスト・シェルフ・ガス田の稼働延長を条件付きで承認
💡 約100万点もの先住民ペトログリフ(岩絵)が存在するムルジュガ地域への影響が懸念される
💡 環境保護と経済的利益の間で対立が生まれており、今後の課題も多い
本日は、オーストラリアのエネルギー開発と文化遺産保護を巡る問題について、詳しく掘り下げていきます。
それでは、まずこの問題の概要から見ていきましょう。
古代の遺産とエネルギー開発の狭間で
ガス田延長、岩絵群への影響は?
先住民の岩絵群への影響を懸念。
オーストラリアのノース・ウェスト・シェルフ・ガス田の稼働延長問題は、エネルギー開発と文化遺産保護という、相反する二つの価値観の衝突を浮き彫りにしています。

✅ オーストラリア政府は、西オーストラリア州のノース・ウェスト・シェルフ・ガス田の稼働期間を2070年まで延長することを条件付きで承認した。
✅ このガス田に隣接するムルジュガ地域には世界最古級の岩絵群があり、専門家はガス田からの汚染物質による損傷を懸念している。
✅ 政府は、稼働延長の承認に際し、大気環境と文化遺産保護に関する厳格な条件をウッドサイド・エナジーに提示し、考古学者らはその詳細と保護の徹底を求めている。
さらに読む ⇒ ARTnews JAPAN(アートニュースジャパン)出典/画像元: https://artnewsjapan.com/article/34653ガス田の稼働延長承認は、経済的な側面を重視した結果と言えるでしょう。
しかし、古代の岩絵群への影響を考慮した上で、環境保護に関する厳格な条件を提示したのは、政府の苦悩の表れかもしれませんね。
オーストラリア政府は、西オーストラリア州沖にあるノース・ウェスト・シェルフ・ガス田の稼働期間を2070年まで延長することを条件付きで承認しました。
この決定は、6年間の審査を経て行われ、大気排出レベルに関する厳格な条件が付されています。
しかし、このガス田に隣接するムルジュガ地域には、約100万点もの先住民ペトログリフ(岩絵)が存在し、考古学者や環境保護団体は、エネルギー開発がこの世界最古級の岩絵群に与える影響を強く懸念しています。
なるほど、経済的なメリットは大きいのでしょうが、世界最古級の岩絵群への影響となると、簡単には割り切れない問題ですね。今後の動向が気になります。
経済的利益と環境保護のジレンマ
豪ガス田輸出、環境vs経済?問題の本質は?
環境保護と経済利益の対立。
経済的利益と環境保護の狭間で揺れるオーストラリア。
天然ガス開発の承認と、それに対する様々な意見について、詳しく見ていきましょう。
公開日:2025/05/29

✅ オーストラリアのマレー新環境相は、西オーストラリア州沖の天然ガス事業「ノース・ウェスト・シェルフ」の開発延長に大筋でゴーサインを出した。
✅ 開発会社ウッドサイド・エナジーに対し、先住民の壁画保護などの条件を求めつつ、2030年以降の操業を認める意向で、開発許可年数は最大40年間となる見込み。
✅ 今回の決定に対し、財界や労組は歓迎する一方、先住民団体や環境保護派、島しょ国は反発しており、環境保護と経済的利益の間で対立が生まれている。
さらに読む ⇒日豪プレス出典/画像元: http://nichigopress.jp/news-item/196534/LNG輸出による経済効果は大きいですが、環境保護と両立させることは容易ではありません。
今回の決定は、その両立を目指す苦しい決断だったのではないでしょうか。
ノース・ウェスト・シェルフ・ガス田からの天然ガスは、主に液化天然ガス(LNG)として日本などアジア諸国に輸出され、オーストラリアの主要な輸出資源となっています。
しかし、プラントの排ガスによる先住民壁画への影響や、温室効果ガス排出、海面上昇への懸念から、環境保護団体や南太平洋の島しょ国は反対意見を表明しています。
今回の決定は、経済的な利益と環境保護という対立する二つの側面を反映しており、今後も議論を呼ぶ可能性が高いです。
難しい問題ですね。経済的利益ももちろん大切ですが、未来の世代のためにも、環境保護はしっかりと考えなければなりませんね。
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豪岩絵群保全とエネルギー開発の狭間で政府が最終決定。ウッドサイド・エナジーの対応と、文化遺産保護・エネルギー生産両立への道を探る。